
こんにちは、終活やす子です。
終活の一環として「お墓を生前に準備すべきか」悩んでいませんか?近年、自分が亡くなる前にお墓を用意する人も増えつつあります。しかし、実際にお墓を先に建てるとなるとメリットやデメリット、費用や手順など気になることが多いですよね。**どこよりもやさしく、どこよりも徹底的に。**終活やす子が、お墓を生前に準備するメリット・デメリットから、お墓の種類と供養方法、失敗しないお墓の選び方のポイントまで丁寧に解説します。後悔のないお墓選びの参考にしてくださいね。
終活でお墓を準備するべき?そのメリット・デメリット
まずは、終活で生前にお墓を用意することのメリットとデメリットを整理しましょう。「お墓を先に準備するなんて早すぎるかな…?」という不安もあるかもしれませんが、あらかじめ利点と注意点を知っておくことで判断しやすくなります。
お墓を生前に用意するメリット
1.家族の負担を減らせる:
最大のメリットは、残される家族の負担軽減です。お墓を事前に準備しておけば、いざという時にご遺族がお墓探しに奔走せずに済みます。葬儀後すぐに納骨先が決まっている安心感は大きく、精神的・時間的な負担を和らげることができます。「どこにお墓を建てればいいの?」と遺族が困惑する事態を避けられるのは、お互いにとって助かりますね。
2.自分の希望を反映できる:
生前にお墓を用意すれば、お墓の場所や形態を自分の希望で決められるのもメリットです。たとえば「故郷の近くに眠りたい」「自然に還れる形で供養してほしい」など、本人の希望がある場合、それを実現するお墓を選ぶことができます。また、墓石に入れる言葉やデザインなどへのこだわりも、自分でプランニングできます。費用面でもあらかじめ業者と相談し、予算に合ったお墓を無理なく建立できるでしょう(houyugroup.co.jp)
3.相続税対策になる:
意外に思われるかもしれませんが、生前にお墓を建てることは相続税の面でもメリットがあります。日本の税法では、お墓や仏壇などは祭祀財産として相続税の非課税財産と定められています(houyugroup.co.jp)。そのため、生前にお墓(墓地や墓石)を購入しておけば、それに充てた費用分は相続財産から除外されるのです。ただし、現金を子どもに残して後からお墓を買ってもらう場合は相続税の課税対象になるため、「元気なうちに自分で買っておく」ことに一定の節税効果があると言えます。もちろん節税のためだけでなく、自分で内容を決めて購入できる点でも生前購入の意義は大きいでしょう。
4.親族間のトラブル防止:
お墓をめぐる親族間の争いを避けられるのもメリットです。本人が希望を明確にしておけば、後で兄弟姉妹や親族が「どこのお墓に入れるか」「予算をどうするか」で揉める可能性が低くなります。特に跡継ぎが複数いる場合、事前に決まっていないと意見が割れがちですが、生前に本人が決めておけば皆がそれに従いやすくなるでしょう。自分の終の棲家を自分で決めることは、残される家族への最後の気遣いにもなります。
5.いつでも納骨できる安心感:
お墓が先にあれば、万一自分や配偶者が亡くなった際にすぐ納骨できる場所が確保されている安心感があります。公営墓地などでは申し込みから使用許可まで時間がかかる場合もありますが、事前にお墓があればそうした心配は不要です。また、生前に区画を買って墓石を建てておけば、配偶者や家族が先に亡くなられた場合でも同じお墓に納骨できます。「自分が生きているうちにお墓を整えておき、あとはいつでも受け入れ準備OK」という状態にしておくことで、心の備えにもなりますね。
豆知識:生前墓は珍しくない?
以前は「お墓は亡くなってから建てるもの」という考え方が一般的でしたが、最近では生前にお墓を用意する人も増えています。実際、2017年の調査ではお墓購入者の5人に1人が生前墓(自分が生きているうちに購入したお墓)を所有していることがわかりました(houyugroup.co.jp)。生前墓という言葉も徐々に浸透しており、「終活の一環でお墓を建てる」ことは決して珍しいことではありません。
お墓を生前に用意するデメリット
もちろん、終活でお墓を準備することには注意すべき点やデメリットもあります。判断する際には以下の点も押さえておきましょう。
1.お墓の管理・維持が必要になる:
生前にお墓を建てると、亡くなる前の期間もお墓の管理費がかかる点に留意が必要です。霊園や墓地では年間の管理料が発生しますし、墓石を建立すれば清掃や墓石の手入れも生前から必要になります。納骨していない間も、自分または家族がお墓の維持管理を続けなければならないのです(yasiro.co.jp)。管理料は霊園の種類にもよりますが、年間おおよそ5,000~2万円前後が相場とされています(houyugroup.co.jp)。この費用負担を誰が担うかも考えておく必要があります。特に自分が高齢になってお墓参りや清掃が難しくなった場合、代理で管理してくれる人(継承者)がいないとお墓が荒れてしまう恐れがあります。
2.後継者がいない場合は負担になる恐れ:
自分にお墓の継承者となる子どもや親族がいない場合、従来型のお墓を建てても死後にそのお墓を守る人がいなくなる可能性があります(shukatsu-support.jp)。無縁墓になってしまうと、最終的には行政や寺院によって他の遺骨と合祀されたり、墓石が撤去されたりするケースもあります。継承者がいない方にとって、生前に一般のお墓を用意することはデメリットが大きいと言えます。後述するように、継承者不在でも安心な永代供養墓や合同墓などの選択肢もありますので、そちらを検討したほうが良いでしょう。
3.先行投資の費用負担:
お墓を建てるには決して安くない費用がかかります。一般的な墓地に墓石を建てる場合、数十万円~数百万円規模の費用負担になります(後述しますが平均的な一般墓の総額は約170万円と言われています(kamakura-net.co.jp))。この金額をまだ使わないお墓に先に支払うことになるため、経済状況によっては大きな負担に感じるでしょう。本来は残りの人生を充実させるために使えたかもしれないお金を前もってお墓に充てるわけですから、「生前にこんな大金を使うのはもったいないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。特に、まだ比較的若い方が終活でお墓を用意する場合は、この先何十年も使わないものに維持費も含めお金を払い続けることになる点を踏まえる必要があります。
4.環境や気持ちの変化に対応しにくい:
一度お墓を建立してしまうと、後から簡単に場所を変えたり処分したりできません。「思ったより遠方でお墓参りが大変だった」「将来引っ越すことになりお墓が遠くなってしまった」など、状況の変化が起きる可能性もゼロではありません。また、価値観の変化で「やはりお墓はいらないかな…」と思っても、建立済みのお墓を撤去するには手間も費用もかかります。公営霊園の場合、生前申し込みができず遺骨がないと契約できないケースもあります(yasiro.co.jp)。こうした柔軟性の低さは生前にお墓を買うデメリットと言えるでしょう。
5.心理的な抵抗感:
人によっては「生きているうちに自分のお墓を用意するなんて縁起でもない」「気が進まない」といった心理的抵抗を感じる場合もあります。特にご高齢のご両親世代などは、生前に墓を建てることを不吉と考える向きもあるようです。しかし最近では、生前墓は**「人生のエンディングを自分でプロデュースする前向きな行動」**として受け入れられつつあります。実際、お墓の準備を終えた方からは「肩の荷がおりて安心した」という声も多く聞かれます。とはいえ無理に話を進める必要はありませんので、気持ちの整理がつくタイミングを見計らって検討すると良いでしょう。
デメリットへの対策:新しい供養スタイルの活用
生前にお墓を準備するデメリットとして、「管理や継承の負担」が挙げられました。しかし、永代供養墓や樹木葬などの新しい供養スタイルを選べば、後継者がいなくてもお墓の管理を任せられるため、負担を大きく減らすことができます。近年では家族がいても「あえて子どもに管理を任せたくない」と考えて永代供養を選ぶ人も増えています。また、海洋散骨など従来とは異なる葬送を選ぶ方もおり、「お墓を持たない」という選択肢も現れています。次の章では、こうした多様化するお墓の種類や供養方法について詳しく見ていきましょう。
お墓の種類と供養方法の選択肢【従来墓から新しい供養まで】
ひとくちに「お墓を準備する」と言っても、その形態や供養方法にはさまざまな種類があります。かつては先祖代々の「〇〇家之墓」と刻まれた石塔に入るのが一般的でしたが、現代では価値観や家族形態の変化により、実に多彩な選択肢が存在します。実際、2020年に行われた全国調査では、お墓の購入者が選んだ供養先は「樹木葬」が41.5%と最も多く、従来型の「一般墓」は27.4%にとどまりました(kamakura-net.co.jp)。
このように現在では半数以上の人が従来とは異なるスタイルのお墓を選んでおり、自分に合った供養方法を自由に検討できる時代になっています。それぞれのお墓の種類や供養方法の特徴を理解し、ご自身に合う形を選びましょう。
一般墓(従来型のお墓)
一般墓とは、石碑(墓石)を建てて遺骨を納める、伝統的な形のお墓です。多くは〇〇家などと家名を刻み、家族代々で使用する夫婦墓・家族墓として作られます。墓地の一区画を購入(使用権を取得)し、その上に墓石を建立して遺骨を埋葬します。個別のお墓を持てる安心感があり、先祖代々で手を合わせていけることから、現在でも根強い人気があります。一般墓は家族で一緒に入りたい人に向いています。
一方で、費用は他の供養方法に比べ高額になりがちで、墓地使用料+墓石代など総額で数百万円規模になることもあります。実際の平均としては、ある調査によれば一般墓の平均総額は約174万円というデータがあります(kamakura-net.co.jp)。
また、墓地の管理者(寺院や霊園)に支払う年間管理費が発生し、定期的な清掃など維持管理の手間も必要です。お墓を継承する家族がいることが前提となるため、将来継承者が途絶えるリスクについても考えておく必要があります。
永代供養墓(合祀墓・合同墓)
永代供養墓とは、寺院や霊園が永代にわたって遺骨を供養・管理してくれるお墓の総称です。個人や夫婦で利用できる区画があるものもありますが、多くは一定期間個別に安置・供養した後、他の遺骨と一緒に合祀(合同で埋葬)される形式です。永代供養墓は「後継ぎがいなくても安心なお墓」として近年人気が高まっています。お墓の管理は霊園や寺院に任せられるため、継承者がいなくても無縁墓になりません。管理費も基本的に一括費用に含まれているか、不要な場合がほとんどです。
永代供養墓にはさまざまなタイプがあります。代表的なものは、最初から他人の遺骨と一緒に埋葬される合祀墓(ごうしぼ)や、屋外のモニュメント型のお墓に複数人の遺骨を納める合同墓です。また、後述する樹木葬や納骨堂の中にも「永代供養」が付いたプランが存在します。費用相場は一般墓より抑えられていることが多く、平均的には数十万円~100万円前後で利用できるケースが多いようです。例えば、ある調査では永代供養墓(樹木葬以外)の平均費用は約92万円という結果が出ています(kamakura-net.co.jp)。
永代供養墓は継承者に負担をかけたくない人や、身寄りがない人に適した選択肢です。ただし、遺骨が他の人と合祀される場合は、後から遺骨を取り出して改葬(別のお墓に移す)ことができなくなる点に注意しましょう。また、永代供養といっても一定期間(例えば33回忌まで)は個別安置してもらえるなどプランによって異なります。契約内容をよく確認し、自分の希望する供養が叶うかどうか確かめてください。
納骨堂(屋内墓・仏壇墓)
納骨堂(のうこつどう)は、ビルや建物内に遺骨を収蔵するロッカーや仏壇タイプの屋内墓所です。都市部を中心に増えており、遺骨をロッカー式の収蔵庫や仏壇型のスペースに安置します。屋内施設なので天候に左右されずお参りでき、駅近など便利な立地にあることが多いのも特徴です。お墓参りの利便性を重視したい人や従来型のお墓に抵抗がある人に人気があります。
納骨堂の費用は、プランによって異なりますが永代使用料+管理費の形で数十万円~が一般的です。調査では平均約98万円というデータもあります
kamakura-net.co.jp。ただし設備の新しさや場所によってはそれ以上の高額になることもあります。永代供養付きの納骨堂であれば継承者がいなくても安心ですが、期間型(○○年間使用など)の場合は契約期間終了後に合祀墓へ移されるケースもあります。
納骨堂は基本的に宗教不問で利用できるところが多く、仏壇タイプなら遺影や位牌を置けるなど個別空間が確保されるものもあります。最新の施設ではICカードでロッカーが自動搬送されるハイテク型もあり、快適なお参り環境が整っています。屋内とはいえ管理者がいるのでお線香をあげられるところも多く、従来のお墓参りと近い感覚で利用できるでしょう。
樹木葬(自然葬墓)
樹木葬(じゅもくそう)は、墓石の代わりに樹木や花をシンボルとしたお墓に埋葬する供養方法です。山林や専用の庭園など自然の中に遺骨を埋め、植樹した木や草花を墓標とします。「自然に還りたい」という希望を持つ方に人気が高く、昨今最も利用者が増えている供養スタイルの一つです。実際、樹木葬を選ぶ人は年々増加し、2019年には樹木葬の利用割合が従来の一般墓を上回りました(kamakura-net.co.jp)。
樹木葬にはさまざまな形式があります。一区画に一家族ずつ埋葬し小さなプレートを設置するタイプや、複数の遺骨をまとめて埋葬するタイプ、またシンボルツリーの周囲に散骨する形などです。多くは永代供養付きで管理者(寺院や霊園)が定期的に供養・維持を行ってくれるため、継承者が不要です。費用は一般墓よりかなり安価で、平均すると数十万円程度が主流です。例えば都内の樹木葬でも一人あたり20万~50万円前後というプランが多く見られます。
樹木葬のメリットは、自然志向で環境に優しい点と費用・管理の負担が軽い点です。墓石を使用しないため経済的で、管理費不要のところも多くあります。ただしデメリットとして、埋葬場所によっては都市部から遠かったり、従来型のお墓と比べ「ここに遺骨がある」という実感が希薄になると感じる人もいるようです。また、基本的に遺骨は土に埋めて自然に還すため、将来的に取り出して移動することはできません。それでも「子や孫に負担をかけない新しいお墓」として、今後も需要が高まりそうです。
散骨(海洋散骨など)
散骨(さんこつ)とは、遺骨を粉状に砕いて山や海に撒く葬送方法です。お墓を持たず自然に遺骨を還す方法として、1990年代頃から注目され始めました。海洋散骨(遺骨を海に撒く)や、故人ゆかりの山林に埋葬せず撒布するケースなどがあります。散骨は「お墓はいらない」「自然に帰りたい」という希望を持つ人に選ばれています。
散骨の大きなメリットは、お墓を建立する費用やその後の管理負担がほとんどかからない点です。必要なのは火葬後に粉骨(遺骨を細かく砕くこと)する費用と、散骨を代行する業者に依頼する場合の費用ぐらいです。海洋散骨の代行サービスでは、相場は数十万円程度(簡易な合同散骨プランなら10万円台から)で実施してくれます。個人で船を手配して散骨することも可能です。
法律面では「遺骨遺棄罪」に抵触しないか心配される方もいますが、現在、日本には散骨を明確に禁止する法律はなく、節度をもって行われる葬送は問題ないとされています。実際、散骨は「葬送のための祭祀行為」として法的に認められており違法ではありません(osohshiki.jp)。
ただし、粉骨せずにそのまま撒くことや、他人の土地に無断で撒くことはトラブルの原因となるため厳禁です。海に撒く場合も沿岸部や漁場を避け、船舶で沖合に出て行うなどの配慮が必要です。専門業者に依頼すれば法律・マナーを守って執り行ってくれます。
散骨のデメリットは、遺骨が手元に残らないため故人をしのぶ「場所」が無くなることです。お墓参りという形で手を合わせる場所が欲しい遺族にとっては、散骨のみだと寂しく感じる場合もあります。そのため、散骨を選ぶ場合でも一部の遺骨を手元供養(小さな骨壺やアクセサリーに封入して自宅で保管)したり、散骨した海の緯度経度を記録して記念プレートを置いたりするケースもあります。また、いったん散骨してしまうと撤回できないため、親族の同意を事前によく得ておくことが大切です。
その他の供養方法
上記以外にも、お墓に関連する選択肢はいくつかあります。たとえば手元供養は、先述したように遺骨や遺灰の一部を自宅で保管する供養で、近年専用のミニ骨壺やアクセサリーが販売され人気です。ただし多くの場合はメインの供養(墓や散骨など)にプラスして行う補助的なものであり、手元供養だけで全ての遺骨を保管するのは現実的ではありません。
また、生前にお墓を買う代わりに葬儀社の「墓なしプラン」を利用する選択もあります。例えば「永代供養付きの直葬プラン」など、生前契約しておき亡くなったら永代供養墓に納骨してもらえるサービスです。これはお墓探しの手間を省きたい方に向いていますが、実際にはどこかの霊園や寺院の永代供養墓に入る形なので、仕組みとしては永代供養墓を選ぶのと大きな違いはありません。
このように、お墓や供養の形は多様化しています。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分と家族にとって何を優先したいか(費用、場所、管理の手間、精神的満足感など)を整理して選ぶことが重要です。「絶対にこれでなければいけない」という決まりはありません。次の章では、実際に自分に合ったお墓を選び、契約するまでの具体的な進め方を見ていきましょう。
お墓選びの進め方とポイント【資料請求・現地見学の活用】
お墓の種類や方針が固まったら、具体的にどの霊園・墓地にするか選んでいきます。ここでは、後悔しないお墓選びの具体的な手順とポイントを解説します。「資料請求」や「現地見学」といったキーワードが出てきますが、いずれも無料でできる大切なステップですので有効に活用しましょう。
ステップ1:家族と希望を話し合い、条件を整理する
まずはご家族と十分に話し合い、どんなお墓にしたいか希望条件を整理しましょう。特に、誰がお墓に入るのか(自分一人だけのお墓にするのか、夫婦や家族で入るのか)によって選ぶお墓の種類や規模が変わります。
例えば夫婦二人きりで入る予定ならコンパクトな夫婦墓という選択肢もありますし、ゆくゆくお子さん夫婦も入れるような大きめの区画を考える場合もあります。近年は「夫婦墓プラン」や「家族墓プラン」を用意している霊園もあり、最初から将来の継承者問題に備えて永代供養付きの夫婦墓なども人気です。
同時に、お墓の継承者を誰にするかも決めておきましょう。お墓を守っていく人が決まっていないと後々困りますし、継承者となる方の負担も考慮する必要があります。可能であれば継承予定のご家族にも話し合いに参加してもらい、理解と協力を得てください。たとえば長男が遠方に住んでいるのに実家近くにお墓を建ててしまうと、お墓参りや管理の負担が大きくなってしまいます。なるべく継承者が無理なくお参りできる場所にすることが望ましいです。
話し合いでは、既存の家のお墓を利用できるかも検討してみましょう。もし先祖代々のお墓が既にあって自分もそこに入る予定で良いなら、新たにお墓を買う必要はないかもしれません。ただし「配偶者側の墓に入る」「実家のお墓とは別に夫婦だけで新しいお墓を用意したい」など、家族間で考えが異なる場合もあります。親族の意向や宗教的なしきたりなども確認しつつ、自分たちにとって最善の方針を探りましょう。
この段階で決めておきたい主なポイントは次のとおりです。
これらをある程度明確にしておくと、次のステップで候補を絞り込みやすくなります。特にお墓の場所は重要です。故人ゆかりの地に建てたい気持ちもあるかもしれませんが、繰り返しになりますがお墓参りをする人の利便性を最優先に考えることをおすすめします。
ステップ2:希望に合ったお墓の種類・予算を決める
ステップ1で出そろった希望条件をもとに、どのお墓の種類にするか大筋を決定しましょう。同時に、予算の目安もこの段階で考えておきます。
例えば、「夫婦二人だけで入り、子供に継がせないつもりだから、継承不要な永代供養墓が良い」「実家のお寺のお墓ではなく、新しく自分たちだけの樹木葬にしたい」など、大まかな方向性を固めます。また、「やはり従来通り石のお墓がほしいけれど、子供に負担を掛けたくないから永代供養付きのプランにしよう」といった具合に、複数の希望を組み合わせたプランも可能です。最近は民間霊園で「永代供養付き家族墓」など柔軟なプランも用意されていますので、自分たちのニーズに合いそうなタイプを選びましょう。
予算については、事前に相場観を持っておくことが大切です。お墓の費用は種類によって大きく異なります。以下に一般的な費用目安を示します(地域や規模によって変動しますので参考程度にしてください)。
墓石を建てる一般墓はどうしても高額になりますが、永代供養墓や樹木葬は比較的低コストで利用できるケースが多いです。予算に上限がある場合は、無理に一般墓にこだわらず、永代供養や樹木葬も含め検討するのが良いでしょう。反対に、伝統的なお墓であればある程度の費用は避けられませんので、早めに資金計画を立てておくことが重要です。
この段階で「やはり予算的に一般墓は厳しいから、○○にしよう」「○○万円以内でできるプランにしよう」と方向性を決めておくと、次の情報収集ステップで無駄なく候補を探せます。また、霊園の種類(公営か民営か寺院か)についても考えておきましょう。希望の地域に公営霊園があれば費用は抑えられますが、募集が抽選だったり応募条件(居住年数や遺骨の有無など)がある場合があります。民営霊園なら誰でも申し込めますが費用はやや高めです。寺院墓地はそのお寺の檀家になる必要があるなど宗教上の条件があります。
各霊園の特徴は以下のとおりです。
どのタイプにもメリット・デメリットがあります。予算と合わせて、「公営霊園に応募するか?」「近くの民営霊園にするか?」といった方針も固めておきましょう。なお、公営霊園志望の場合は募集時期が年に1回など限られているため、情報チェックを忘れずに。民営や寺院は随時見学・契約が可能です。
ステップ3:霊園・墓地の情報収集を行い資料請求する
方針と予算が決まったら、具体的に候補となる霊園や墓地を探します。近年はインターネットで全国各地の霊園情報を調べられる便利なサイトが充実しています。例えば、お墓のポータルサイトである「いいお墓」では、全国9,000件以上の霊園・墓地を検索でき、気になる霊園にまとめて資料請求や見学予約が可能です。インターネット検索を活用して、希望エリア・希望タイプに合致する候補をいくつかピックアップしましょう。
候補を探す際は、以下のポイントに注目してみてください。
インターネットだけでなく、現地の広告看板や自治体からの募集案内、終活セミナーなどでも情報を得られることがあります。いくつか候補が見つかったら、ぜひ資料請求をしてみましょう。多くの霊園ではパンフレットや価格表などの資料を無料で送ってくれます。資料請求は一括請求サイト(前述のポータルなど)を使えばネットで簡単に申し込めて便利です。
資料が手元に届いたら、内容をじっくり比較検討します。写真や間取り図、費用の詳細、利用規約(使用期間や埋蔵人数の制限など)もチェックポイントです。特に費用面では「墓石代は含まれているか」「永代供養料は別途か」「管理費の金額」などを見落とさないように注意しましょう。疑問点があれば遠慮なく問い合わせてOKです。最近は電話やメールでの問い合わせにも丁寧に答えてくれる霊園が多いですよ。
ポイント:複数の資料を取り寄せて比較することが大切です。一つだけ見て決めてしまわず、最低でも2~3か所は資料を取り寄せて内容を見比べると良いでしょう。それにより、「こちらの霊園は費用は安いけどアクセスが悪い」「こちらは少し高いが永代供養付きで安心だ」など相対的に特徴が見えてきます。
ステップ4:現地見学に行き、候補を比較検討する
資料である程度候補を絞ったら、実際に現地を見学してみましょう。お墓選びで後悔しないためには、現地見学(下見)は欠かせません。写真や文字情報だけでは分からない雰囲気や環境を、自分の目で確かめることが大切です。現地見学は、各霊園に事前予約して訪問するのが一般的です。資料請求時に同時に見学予約ができる場合もあります。
予約なしで直接訪れても見学可能な所もありますが、担当者の方に話を聞けるよう事前連絡しておくとスムーズです。最近は見学予約をすると商品券がもらえるキャンペーンを実施しているサイトもあります。
見学の際にチェックしたいポイントは以下のとおりです。
見学時には、霊園の担当者の方が案内してくれることがほとんどです。疑問点は直接質問してみましょう。例えば「永代供養の具体的な内容は?」「区画のサイズは?○人分の納骨スペースはある?」「宗教的な制約はある?」「墓石の持ち込みは可能か?」など、気になることはメモして遠慮なく聞くのがおすすめです。説明を聞きながら、パンフレットに書かれていない生の情報(利用者の傾向や人気の区画、今後の値上げ予定の有無など)を教えてもらえることもあります。
複数候補がある場合は、できればそれぞれ見学して比較しましょう。実際に訪れてみると「やっぱり自宅から遠いな…」とか「スタッフの対応がこちらのほうが良かった」など、体験しないと分からない差が出てくるものです。お墓は長く付き合う場所なので、少しでも違和感があれば候補から外し、納得できる場所を選ぶことが大切です。
ステップ5:契約手続きを行い、お墓を建立する
見学を経て「ここにしよう」と決めたら、いよいよ契約手続きに入ります。具体的な流れは霊園やプランによって異なりますが、一般的なお墓(一般墓)の場合は次のようなステップになります。
生前墓として契約した場合、実際の納骨が行われるまで墓石や区画をそのまま維持していくことになります。墓石には先に建立者の名前(自分の名前)を彫っておき、没年だけ空けておく人もいますし、亡くなるまで刻まないという人もいます。どちらでも問題ありませんので、お好みで構いません。
永代供養墓や樹木葬、納骨堂などの場合は、契約→埋葬方法の確認→永代供養料等の支払い→利用証の受け取り、といった簡潔な流れになることもあります。いずれにせよ契約時には費用の支払いが発生しますので、金額と支払い方法(分割可否など)を最終確認してください。また、墓地使用規約などに目を通し、管理費の支払い時期や墓所の使用上のルールも確認しておきましょう。
契約・建立が完了したら、家族にも共有しておくことが大切です。せっかく生前にお墓を用意しても、いざという時に家族がその存在を知らなかったり場所が分からなかったりすると困ります。契約書や使用許可証のコピーをエンディングノートに添付する、家族に「〇〇霊園の△区画にお墓を用意してあるから」と伝えておくなど、きちんと周知しましょう。葬儀社や菩提寺にも伝えておけば、万一の際に滞りなく納骨まで手配してもらえるはずです。
最後に、お墓の維持管理を継続することも忘れずに。生前墓では毎年の管理費納入や、お墓参り・掃除も自分たちで行う期間が発生します。負担に感じる場合は、早めに専門の清掃代行や墓守サービスの利用も検討すると良いでしょう。せっかく用意したお墓ですから、大切に管理していきたいですね。
まとめ:自分に合ったお墓を選んで安心の終活を
お墓の生前準備について、メリット・デメリットから種類、選び方の手順まで詳しくご説明してきました。 お墓は人生の最終章を飾る大切な場所 です。だからこそ「どんな形で眠りたいか」「家族にどうしてあげたいか」をじっくり考え、自分たちらしい答えを見つけてください。
幸い現在はお墓の選択肢が非常に豊富であり、経済状況や家族構成、信条に合わせて柔軟に選べる時代になっています。従来型のお墓を持つことだけが正解ではありませんし、無理に流行りの供養を選ぶ必要もありません。大切なのは、あなたとあなたの大切な人が納得できる形を選ぶことです。
終活でお墓を準備することは、最初は戸惑いや不安もあるかもしれません。しかし、一歩踏み出せば将来への安心感につながります。事前にしっかり情報収集し、現地も見て比較することで、きっと「ここにして良かった」と思えるお墓が見つかるはずです。

この記事が、皆さんのお墓選びの一助となれば幸いです。分からないことは専門家や霊園の担当者にも相談しながら、ぜひ前向きに取り組んでみてくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。これからの終活が、より安心で充実したものになりますよう、終活やす子も応援しています!
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